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木材化の課題

都市森林に多い広葉樹の場合、農林水産省の統計によると、例えば2017年では素材供給量が2153千㎥でそのうち製材用(木材用)となるのは120千㎥、合板用21千㎥を合わせても、6.54%となっています。

山林で伐られた木は木材になっていると思いがちですが、実際に広葉樹材のほとんどは製紙用の木材チップになるのです。 これは裏を返せば、木材市場に出して値がつく木材=プロがその丸太を木材にして利益を出せる木材、すなわち良材が、山林であってもそれだけ少ないということです。

街の木活用のむずかしさの説明

現状の都市森林の木々のうち、良材と呼べるものがどれだけあるでしょう。 良材の条件としては、一般に、樹形が良いこと(木目が通直でクセがない)、節が少ないこと、虫食いや傷み、腐朽がないこと、幹が太いこと、長いこと、そして、一定量の分量が供給されること、などが挙げられますが、街の木のほとんどは曲がったり幹が別れたりして節だらけで、一定以上の大きさに育ったものの多くは強剪定により傷みが入り、弱ったことが原因で虫や腐朽が入ってしまっているのです。

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作家的なものづくりや趣味で扱うのであれば、どんな木材も魅力的な素材となり得ます。間尺にあわない手間やコストをかけて良いのであれば、どんな素材も活かすことは可能です。しかしながら、都市森林プロジェクトで目指しているのは、街の木々を木材として活用することを、もっと無理のない選択肢にすることです。私たちが街の施設や自分の住まいをどんな素材で作ろうか? と考えた時に、もちろん街の木で!と言えるようにすることです。

都市森林プロジェクトでは「都市林業」という概念を提唱し、取組んで来ましたが、これは単なる伐採木の活用ではありません。伐採木を活用することと、伐採木を活用することを自然で合理的な選択肢にすることは、全く異なることなのです。

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まちライブラリー南町田/Yoshiyuki Yuguchi 2019

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