街の木でつくる家具

小さなお庭の木を活かす

 

ハナミズキ、カイヅカイブキ、ウメ、イヌマキ、キウイ、シダレモミジ、カナメモチ、ナンテン、フヨウ、ムクゲ 

手放し、更地にされることが決まった思い出の詰まった家。お庭のシンボルのハナミズキを活かして、小さなものでも良いのでなにかしら残すことができないか?ご相談を受けて訪れたお庭には、長年手入れを怠らず大切にされてきたたくさんの小さな木々がありました。そんな木々を全て活かして、思い出のお庭の縮図のような家具を作ることを思いつき、完成したソファテーブルは、ご家族から介護付き住居に移られるお母様に贈られることになりました。 

動画:お庭の小さな木でつくる

街の木のテーブル

 

ムクノキ、クスノキ

曲がったものをまっすぐに切って整形すると、使えるところが著しく減ってしまう街の木々。できるだけ幅いっぱいに活かすべく、真っ直ぐに整形するのは片側のみとし、内側の合わせ目は、木の生来の形同士がうまく合う組み合わせを探し出し、最小限の整形で組み合わせています。

街の木の本棚

メタセコイア、ヒマラヤスギ、エノキ、75樹種の木タイル

 

図書館がつくられる敷地で伐られた木々で製作した本棚。縦に通る仕切板に用いたメタセコイアは柔らかいので、厚い部材として強さを確保し、樹脂を浸透させる塗装で表面の硬さを上げています。一部の棚板には甘い芳香を放つヒマラヤスギを使用して、この本棚に近づくと良い香りが漂うようにしています。要所に75樹種からなる木のタイルを貼り込んで、この本棚が設置されたライブラリーの周辺で見られる木々の、木材見本としても活用できるようになっています。

⾷の⽊々のラウンジチェア&テーブル 

 

クワ、カヤ、ブドウ、カリン、サンショウ、クチナシ、アオキ、サンシュユ、ニッケイ、ナツミカン、ビワ、カキ、ウメ

食と関わる樹種を集めて。テーブルの天板は実が美味しいクワ、脚は実をウォッカ漬けにすると素晴らしい香りになるカヤ、列柱状の棒材にはブドウ、カリン、サンショウ、染料となるクチナシ、味噌仕込に葉を使えるアオキ、枝を牛乳に刺しておくとヨーグルトができるサンシュユ、香辛料となるニッケイ。椅子にはナツミカン、ビワ、カキ、ウメを使用。これらの木々の木材はどれも魅力的なものですが、大木や真直ぐに育ったものがほとんどなく、まとまった量の木材や、とりわけ長い木材を得ることが困難です。この椅子では短材でも作れる肘掛の上下で部材が分かれるデザインとし、「食」というテーマで樹種をミックスすることで、少しずつしか揃わない木材も活かせるようにしています。

紅葉の⽊々のラウンジチェア&テーブル 

カツラ、イチョウ、ドウダンツツジ、マユミ、ヒメシャラ、ナンテン

イロハモミジ、トウカエデ、エノキ、ハゼノ

紅葉が印象的な樹種を集めて。テーブルの天板は真っ黄色に紅葉するカツラ、脚はイチョウ、列柱状の棒材にはドウダンツツジ、マユミ、ヒメシャラ、ナンテンの枝を使用。椅子はイロハモミジ、トウカエデ、エノキ、ハゼノキ。 紅葉が鮮やかな木々の木材の色はどうなのか? 意外や大人しくい色味のものがほとんどです。例外はハゼノキの芯材やナンテンで、驚くほど鮮やかな黄色が良いアクセントになってくれています。

街の⽊の椅⼦(シェーカー型)  

シラカシ、アカガシ、アラカシ、スダジイ(すべてドングリの木)

シェーカースタイルの椅子をアレンジしたハイバックチェア。オリジナルでは4本の脚を横につなぐ部材が、すべて繊細な丸棒になりますが、ハードユースでは緩むことが多いので、脚をつなぐ部材を板にして堅牢な作りに。座面もオリジナルのペーパーコードから、柔らかいクッション張りに変えています。

街の⽊の椅⼦

ヤマモモ、アキニレ、サンゴジュ、​キンモクセイ、クマノミズキ、

ミズキ、ソメイヨシノ、スダジイ、アラカシ、モチノキ

街の木は木材に適した樹形に育てられたものではなく、またそもそも街の木に多い広葉樹は、真っ直ぐに育つものばかりではありません。そのため、街の木から得られる木材の多くは曲がっていて、木材の世界の一般的な基準でいう良材とは言えません。この椅子では、木の曲がりを後脚の曲がりとしてそのまま活かすことで、そうした木々の有効活用を試みています。

桜の⽊のラウンジチェア&テーブル 

ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ

街で育った桜を集めて。木材として一般に利用される山桜に比べ、ソメイヨシノは木目が素直ではないことがほとんどで、木材に適さない木の代名詞とされています。木目は単なる模様ではなく構造的な力の流れの現れで、それを無視して形だけ作ってもだめなのです。この椅子ではソメイヨシノの木目の曲がった部分と二股に別れる部分を部材の曲線に活かしています。テーブルにもソメイヨシノらしい形の切株を用いましたが、完成品の滑らかな表面は、無数にあった割れを埋め、研磨して完成したものです。

図書館⽤ソファ

エノキ、ムクノキ、ツバキ、モッコク

図書館の閲覧室用に製作したソファ。ネットでどんな本でも手に入る今、リアルの図書館ならではの仕掛けとして、次に座る人のために本を残して偶然の出会いを楽しめるよう、座面下には一席ごとに引出しを設けました。本体はエノキ、背もたれの丸棒にはムクノキ(エノキとムクノキは葉っぱがそっくり)、肘掛を支える丸棒にはモッコクとツバキといった庭木でよく見る花木を使用しています。

図書館⽤カウンター  

ソメイヨシノ、エゴノキ、イヌマキ

ソメイヨシノをメインに、内側の一部にはエゴノキやイヌマキも。サクラ材は摩耗に強く滑りが良いので、カウンターなどでの使用に適します。街のサクラは傷みが多く、割れもきついものがほとんどですが、この図書館の敷地で伐られたサクラも例外ではありませんでした。不朽部や割れには樹脂を充填、割れが広がらないようたくさんの千切 (蝶々形の部材)を象嵌しました。正面の奥には数十に及ぶ樹種で作った木のタイルを貼り込み、様々な木で作られた図書館の顔としています。

街の木のハンガー

ゲッケイジュ、ツツジ、ヤマザクラ、カツラ、クスノキ

曲がった細枝を活かせないかと考える中で生まれた作品です。伐った時期や樹種によっては、樹皮をきれいに残せることがありますが、そうした材がより一層の個性を、ハンガーの一本一本に与えてくれています。中央の要部分にには防虫効果のあるクスノキ材、フック部分には銅の棒材を加工して使用しています。 

動画:桜の枝でハンガーとペグボードを作る